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主役になった日 [物語]

 なぜだか分かりませんが、どこの学校・学級でも、学期末といえ ば『お楽しみ会』が行われます。これは、全国共通のことなんだそ うです。

 今から○○年前、●●小学校6年4組でも、2学期の終わりに『お楽しみ会』が行われました。
 R少年はその学級の一員で、まじめで、おとなしく、やさしく、素直で、ひかえめで、無口で、友達思いで、え~っと・・・・。
 とにかく、とても良い子だったわけです。
 R少年は、幼稚園からこのかた「おゆうぎかい」「学芸会」といったものの劇で、目立った役についたことがありませんでした。それは、彼がテレ屋で、ひっこみじあんで、おとなしく、ひかえめで・・・(以下略)。
 このころのテレビでは、バラエティ-番組が人気で(今でもそうですが)、R少年たちはそこに出てくるキャラクタ-の物まねをして遊んでいました。(どこがおとなしいんだ、という話は、おいといて。)

 R君たちのグル-プは、お楽しみ会の出しものとして、劇をすることを考えました。ただの劇ではつまらないので、コメディ-劇 (つまり喜劇)をやって、みんなのウケをねらおうとも考えました。年末なんだから、みなさんに思いっきり笑っていただこう、と考えたのでしょうか。

 劇の内容は、すぐに決まりました。そのころはやっていた番組のマネです。もちろん少しは自分たち風に変えてありましたが。
 問題は「主役」です。けっこうはずかしい役です。しかも、はずかしがってテレテレやっていたら、見ているほうも笑えません。グル-プのみんなも、まよいました。「どうしようか・・・。」

 その時、R少年の頭の中で、何かがはじけました。(大げさ)
   R「オレがやろうか!」
   友「よし、やれ!」
 すぐきまりました。R少年は主役です。つまり、一番バカバカしく、一番おおげさに、一番笑われる役を、みずから引き受けたのです。一体何がそうさせたのか、本人にもわかりませんでした。
 血のにじむような練習(これも大げさ)の末、いよいよ当日。
 R君とその仲間たちは、わずか15分ほどの劇(とダンス)をやりました。もはやはずかしいなどとは言っていられません。必死でした。観客が笑ってくれないと、こんなにみじめなことはありませんから。

 結果。ものすごい笑い声。ウケました。アンコ-ルまでかかりました。R少年とそのグル-プの人々は、とても満足しました。

 これがR少年にとって、最初で最後の「主役」でした。
 そうそう、彼は、○○年たった今でも、その時のセリフやおどりを覚えているそうです。

★追伸 その時に演じた役は小松政夫さん扮する「小松の親分さん」。「笑って笑って60分」という土曜お昼の番組でした。ちなみに子分役は伊東四朗さん@伊東家のお父さん。その他、「ずうとるび」(死語の世界?)が出てましたっけ。


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R少年のぼうけん~ちょっとした童話 [物語]

子どものころのR少年は、もちろんたいへんよい子でした。
 ある日、R少年は、自転車でぼうけんの旅に出ました。どうしてそんなことをしたのかは、まったくおぼえていません。でも、はっきりとおぼえているのは、水とうをもって行ったことです。つまり、やっぱり、「ぼうけん」だったのです。
 R少年は自信たっぷりでした。なぜなら、あぶないところには行くつもりがなかったからです。まあ、ちょっと遠くに行ってやろう、ぐらいの気持ちでした。はじめは、よく知っている商店街(しょうてんがい)を通りました。すると、大きな通りに出ました。そこもよく知っている場所でした。おうだん歩道をわたり、そのまままっすぐ進みました。そこは、あまり行ったことはないけれども、なんだか少し知っているような気がする場所でした。
 「だいじょうぶ。わからなくなったら、そのまま来た道をひきかえせばいい。」
どんどん進みました。やがてつきあたりに出ました。右と左に道があります。おまけにここは、今まで来たことがない場所です。でも、
 「だいじょうぶ。わからなくなったら、そのまま来た道をひきかえせばいい。」
右に進みました。しばらく行くと、道が細くなり、お店もなくなってきました。おまけにのぼり坂で人どおりも少なくなり、R少年もさすがに少し心細くなってきました。
 「だいじょうぶ。わからなくなったから、そのまま来た道をひきかえそう!」
R少年はダッシュでひきかえしました。ところが、いつまでたっても、知っている道に出ません。そう、さっき右に曲がった(つまりつきあたりの)ところを、知らないうちに通りすぎてしまったようです。行っても行っても、知らない場所です。
 「だいじょうぶ。またわからなくなったから、そのまま来た道をひきかえそう!」
R少年はスーパーダッシュでひきかえしました。ところが、いつまでたっても、あの曲がりかどに出ません。R少年は、きゅうにおそろしくなりました。とにかく、めちゃくちゃに自転車をこいであっちに行ったり、こっちに行ったり・・・。泣きそうになって走り回りました。それでも道は見つかりません。

 どのくらい走り回ったかR少年にはわかりませんでした。そのころの小学生は、うで時計なんてもってませんからね。(今から思えば、ほんの数十分だったのかもしれません。)ふと気がつくと、なんと、自分がよく知っている、つまり最初にわたったおうだん歩道にたどりついていました。
  これが、これといってかわったこともない、R少年の「ぼうけん」でした。
 あのときのことを思い出すと、今でもふしぎな気持ちになります。たぶん、何かのまほうにかかっていたのでしょう・・・。
(もちろん、家に帰ってからこっぴどくしかられたこと言うまでもありません。無事に帰ってこられたこの少年はとてもラッキーだったのです。きみたちは、知らないところに一人で行っては行けません。今は、ぶっそうな世の中ですからね。)


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